習近平氏、上海のAI会議に初出席——「開放」掲げ米国と一線
AI覇権競争の最前線に、習近平氏本人が足を運んだ。米国の輸出規制に対抗するように、中国は「開放」を掲げて発展途上国への接近を図っている。
3行要約
- 習近平国家主席が7月17日、上海で開幕した世界人工知能大会(WAIC)に2018年の初回開催以来初めて自ら出席し、基調講演を行った
- 「一国による支配」に反対し「開放性・協力・共有」を重視する立場を強調、AI分野で米国と異なる路線を打ち出した
- 会議には140超のフォーラム、1100超の出展社、1400人超のゲストが参加し、300超の製品が世界初披露される見通し
概要
AI覇権競争の最前線に、習近平氏本人が足を運んだ。米国の輸出規制に対抗するように、中国は「開放」を掲げて発展途上国への接近を図っている。
背景
過去2回のWAICでは李強首相が開幕式に出席してきたが、今回は習氏本人の登壇に格上げされた。前日の7月16日には29カ国が新設の「世界AI協力機構」設立に合意しており、今回の演説はその流れを引き継ぐ形になっている。
日本への影響
日本政府は7月14日に第Ⅱ期AI基本計画を閣議決定したばかりで、米中どちらの陣営にも与しない立ち位置を模索している段階にある。ソフトバンク・NEC・ホンダ・ソニーが新会社「日本AI基盤モデル開発」を設立した動きも、米中対立を横目にした独自路線の一環と読める。
深堀り視点
なぜ重要か
中国がAI開発を経済成長だけでなく地政学的な地位確立の柱と位置づけていることを、国家主席本人の初出席という形で可視化した。米国の対中輸出規制が続く中、中国は規制の枠外にいる国々を新たな同盟軸として取り込もうとしている。
ビジネスの見方
勝者はDeepSeekやMoonshotなど中国のオープンウェイトモデル勢——グローバルサウス市場での採用が政治的にも後押しされる構図になる。敗者は米国主導のAIガバナンス枠組みに一本化したい西側諸国だ。
次に見るポイント
- 新設の世界AI協力機構に最終的に何カ国が署名するか
- 中国製オープンウェイトモデルの海外政府調達事例が今後半年で増えるか
編集部コメント
「開放」を掲げながら国内では情報統制を維持する二重構造は今に始まったことではないが、グローバルサウス向けのAIガバナンス機構という切り口は、米国が主導するルール形成に対する明確な対抗軸として注目したい。
出典
本記事はSouth China Morning Postの報道をもとに編集部が要約・解説したものです。
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