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ガジェット Engadget ほか(Counterpoint・IDC・各社発表) 公開: 2026.01.15 更新: 2026.06.25 7分で読める

スマートグラスの主戦場は『アプリストア』か『AI助手』か——Mentraの逆張り

Mentraは299ドルでオープンソースのアプリストア付きスマートグラスを投入した。だが市場の約69%を握るMetaは正反対の閉じたRay-Banモデルだ。両者の対立が示すのは、グラスのプラットフォーム層が『アプリストア』になるのか、Gemini級の『AI助手』になるのかという、より根の深い問いである。

スマートグラスの主戦場は『アプリストア』か『AI助手』か——Mentraの逆張り
イメージ画像:記事内容をもとに編集部がAIで生成したもので、実際の人物・場面の写真ではありません。
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3行要約

  • Mentra Live(299ドル)は唯一フルSDK+アプリストア+複数ハードに対応するオープンOS『MentraOS』を採用
  • 対するMetaはRay-Banの閉じた一体モデルで市場シェア約69%(Counterpoint・2026年Q1)を独占
  • 本当の争点は『開発者のアプリストア』対『単一AI助手』——どちらが次のプラットフォーム層を握るか

概要

Mentraは299ドルでオープンソースのアプリストア付きスマートグラスを投入した。だが市場の約69%を握るMetaは正反対の閉じたRay-Banモデルだ。両者の対立が示すのは、グラスのプラットフォーム層が『アプリストア』になるのか、Gemini級の『AI助手』になるのかという、より根の深い問いである。

背景

Engadget等によれば、Mentra LiveはフルSDK・アプリストア・複数ハード(Vuzix・Even Realities)対応のオープンOS『MentraOS』を備え299ドルで出荷された。一方Counterpoint/IDCではMetaがRay-Ban(EssilorLuxottica提携)の閉じた一体モデルで市場シェア約69%、2025年に約700万本を販売し独占に近い。スマホ初期の『オープンAndroid対閉じたiPhone』に似た構図が、グラスでも立ち上がっている。

日本への影響

作業手順表示・翻訳・視覚支援・遠隔サポートなど実用領域は国内の製造現場・物流・観光・教育に厚い。VuzixやEven Realitiesに対応するMentraOSのオープン性は、国内SIerや現場アプリ開発企業が独自業務アプリを載せる余地を広げる。ただ普及の壁は価格・装着感に加え、盗撮懸念に象徴されるプライバシーで、個人情報保護委員会や公共空間の撮影ルールとの整合が前提になる。閉じたMetaに乗るか、開いたMentraで内製するかは国内企業の調達判断を分ける。

追加分析

Mentraが299ドルでオープンソースのアプリストア付きスマートグラスを出した——この一報を製品ニュースとして読むと、より大きな構図を見落とす。Engadgetの報道に、Counterpoint/IDCの市場データ、Meta・Brilliant Labs・GoogleのAndroid XRという複数ソースを重ねると、スマートグラス市場がスマホ初期と同じ断層で割れ始めていることが見えてくる。一方の極はMetaだ。Ray-Ban(EssilorLuxottica提携)の閉じた一体モデルで市場シェア約69%、2025年に約700万本を売り、ハード・ソフト・小売を垂直に握る『閉じたiPhone』型。もう一方の極がMentraで、フルSDKとアプリストアを備え複数ハードで動くオープンOS『MentraOS』を掲げる『オープンAndroid』型。Brilliant LabsのHalo(300ドル)も後者に連なる。

だが最大の論点は『オープン対クローズド』ではない。束ねて初めて見えるのは、プラットフォーム層が何になるかという、より根の深い対立だ。Mentraが賭けるのはスマホ流の『アプリストア』——第三者開発者が無数の小さなアプリを供給し、その厚みが端末価値を決めるという前提である。ところがMeta AIやGoogleのGemini(Android XR版は当初ディスプレイなしで助手中心)が進めるのは、単一のAI助手が翻訳・案内・要約を内包し、個別アプリを開く行為そのものを不要にする世界だ。もしAI助手が機能を飲み込むなら、Mentraのアプリストアは時代を先取りしすぎた空振りになりかねない。逆にグラス特有の現場業務(点検・手順表示)で第三者アプリが要るなら、開いたMentraOSが標準を取る。

市場の読み方

Metaの約69%シェアを『勝負あり』と読むと早計だ。Metaの強さはOSでなく小売(EssilorLuxotticaの店舗網と眼鏡ブランド)という配信面に由来する。OS・アプリ基盤の主導権はまだ空席で、そこを狙うのがMentraのオープン戦略だ。シェア数字とプラットフォーム層の覇権は別物として読むべきだ。

逆張りの視点

『アプリストアこそ次の主戦場』という通説は疑わしい。AI助手が機能を内包する流れ([[apple-gemini-siri-partnership]]と同型)が本物なら、グラスに必要なのはアプリの数でなく助手の賢さだ。その場合プラットフォーム層は基盤モデルへ移り、アプリストアを軸にしたMentraの設計思想自体が古びる。

見落とされがちな点

MentraOSが複数ハード(Vuzix・Even Realities)で動く点は単体ニュースでは埋もれがちだが、ここが核心だ。ハード非依存のOSは、ハードを握れない無数のメーカーに『中身』を供給できる。Metaの垂直統合に対し、Mentraは水平のOS供給者という別レイヤーで戦っている。

事業者が見る点

  • プラットフォーム層がAI助手に決まれば、価値はグラスのハードや小売(Meta)から基盤モデル(Google・OpenAI)へ移り、グラスはマイク付きの『助手の入口』に薄まる。アプリストアを軸にした設計は中長期で不利になる。
  • 逆に現場業務アプリが鍵なら、勝者は水平OS供給者(Mentra)と業務アプリ開発者。Metaは消費者領域を押さえつつ、B2B現場では開いたエコシステムに侵食される二正面の構図になる。
  • 盗撮に象徴されるプライバシー懸念が規制を呼べば、閉じた一体モデル(Meta)はブランド責任を負いやすく、分散したオープン勢は責任所在が曖昧になる。規制設計が勝者を左右する変数として浮上する。

日本での見方

  • 国内SIer・現場系ソフト企業は、Metaの閉じた囲いに乗るより、複数ハード対応のMentraOS上で製造・物流・点検の業務アプリを内製する道を検討すべきだ。ハードを持たずに『中身』で価値を出せる数少ない余地になる。
  • 観察すべき国内データは、業務用グラス導入現場でアプリ起動と音声助手のどちらが実際に使われるか。ここが『アプリストア対AI助手』の勝敗を最も早く可視化する先行指標になる。
  • 投資・調達判断では、端末のスペックでなく『どの層(小売・OS・基盤AI)で価値を握るか』を軸に据える。Metaの強みが小売、Mentraの強みがOS、本命がAI基盤という三層を分けて評価する。

出典から読む視点

製品仕様・SDKはEngadget/AndroidHeadlines、市場シェアと販売数はCounterpoint/IDC、競合動向はMeta・Brilliant Labs・GoogleのAndroid XR各社発表に基づく。製品設計・市場データ・競合戦略という独立した3系統が、いずれも『勝敗は開閉でなく、プラットフォーム層がアプリストアかAI助手か』という同一の論点に収斂することを三角検証の根拠とした。

深堀り視点

なぜ重要か

なぜ今か——グラスが『次のスマホ』候補として実売段階に入り、プラットフォーム層の主導権が今まさに決まろうとしているからだ。Metaの閉じた一体モデルが約69%を握る中、Mentraの開いたアプリストアは唯一の対抗軸だが、AI助手がアプリを内包すれば前提ごと崩れる。

ビジネスの見方

勝者はディスプレイなしでも配信面を握るMeta(EssilorLuxotticaの小売網)と、基盤AIを握るGoogle/Gemini。Mentraの活路はB2B現場アプリで、複数ハード対応のMentraOSが業務用途の標準を取れるかに収益が懸かる。敗者は単機能ハードのみで開発基盤も助手も持たない後発OEMだ。

次に見るポイント

  • MentraOS対応ハード(Vuzix・Even Realities等)とMiniApp提供数が、半年で何倍に増えるか
  • Google Android XR/Gemini版グラスが、アプリ不要の助手主導UXをどこまで実装するか
  • Metaの市場シェア約69%が、開発者向けオープン勢の参入で70%割れへ動くか

編集部コメント

争点を『オープン対クローズド』と整理すると本質を外す。Mentraが賭けるのはスマホ流の『アプリストア』だが、Meta AIやGoogleのGeminiが進めるのは単一AI助手が機能を内包する世界だ。アプリが要らないなら、Mentraのアプリストアは先進的すぎる空振りになりかねない。逆張りが正解か早計かは、グラス上で人がアプリを開くのか助手に話しかけるのかで決まると見ている。

出典

本記事はEngadget・AndroidHeadlinesのMentra報道、Counterpoint/IDCの市場シェア、Meta・Brilliant Labs・Google Android XRの各社発表をもとに編集部が統合・分析したものです。

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